2人の相性
いつの間にか、口付けをすることが生活の1部になっていた。
目が覚めると横に日向が寝ていて、おはようと言う前にキスをされる。
食事前に出かける前に。
瞳が合うだけでも、日向は唇を寄せてくる。
最初は嫌がっていた若島津もいつの間にか、そうされることに違和感を感じなくなってきた。
だけど。
何故か時々、いやほとんどの場合、何故か鼻がぶつかる。
この確立は実は80%を超えていたりするから、かなりの確立だ。
1日50回キスをするとして、40回は鼻がぶつかるんだから。
若島津が首を右に傾ければ相手も同じ方向に傾ける。気を利かせて今度は反対方向に傾けるとやっぱりおんなじ方向に傾けるんだから、防ぎようがない。
キスをするときはこの方向に首を傾ける、なんてその時その場面じゃないと決めれない。
もしかして日向の反射神経に問題あり?と考え、『あっちむいてほい』をしてみたけど、日向が5戦勝し、どうやらその点に問題はないことがわかった。
もしかして、俺たち気が合わないのかも・・・なんてバカなことをちょっと考えてしまう。
あれこれ考えている若島津の後姿を見て日向は密かに笑いをこらえていた。
バカだな。わざとやってるって考え付かないところが、おまえらしくてかわいいよ。
鼻がぶつかったとき「しまった」という顔をし、そのあと口付けにとろけていく表情。その変化を見るのがたまらなくいい。
「何、悩んでるんだよ。鼻がぶつかるなんて俺たちの相性ばっちりってことだろ?」
後ろからそっと抱き込み頬から首筋にかけて唇を這わせる。
こんなときはエッチをして何も考えさせないのが1番。
片手で器用に服を脱がせる。若島津は不満げに見上げたが何も言わずに日向の衣類に指をかけ、日向の服を取り去った。